革の作り方をわかりやすく解説!!!これで革の基本がわかる!?

こんにちは、オヒロンヌです。

今日はそもそも革ってどうやって作られてるの?って疑問を持ってる人にわかりやすく解説していきます。

ちょいちょい専門用語も入ってくると思いますが、それも説明していきますので最後まで読んでてください。

今回はクロム鞣し牛革での話になりますが、9ステップの基本の流れになり、革全般同じ流れと考えて頂いて問題ないです。

それでは行ってみましょうー

製造工程ステップ1「原皮」

原皮は動物の皮を剥いだ皮になります。

牛、ヒツジ、山羊、豚皮などは腐らない様に塩漬けされています。

日本、海外問わず世界共通の作業だと思います。必ずする工程です。

これを怠るとなめす前なので、もちろん腐ります。。。。

モツも下処理で塩揉みしますよね、そんなイメージで皮に塗り込みます。

塩はお相撲さんが土俵に撒く様と同じ感じです。結構根気良く塗り込まないとダメなんです。

要は長期保存ができる様にですね!生ハムみたいな感じ?

ステップ2「水漬け・背割り」

塩漬けした原皮には血や汚物が付着しています。

それらを洗い流して水分を補って、元の状態に戻してあげます。

また次の工程を進めやすくするために、背割り(頭からお尻にかけて半分にします)をします。この工程は各工場によって順番が違います。

背割りをしないで最終仕上げまで行くところもあります。ヨーロッパなどはしないことが多いです。家具など大きいサイズで使いたい為ですね。

わかりやすく言うとアク抜きみたいな感じです。

ステップ3「裏打ち」

皮の裏面に残ってるお肉や脂肪を取り除いて行きます。

オヒロンヌはこの工程を見たことがありますが、皮丸々1枚で水分を多く含んでるので、軽い女性一人分くらいの重量になってます。

大人二人がかりでやってました。すごい重労働。。。💦

この工程も工場によって順番が違ってきます。

またこの工程で出た脂分は専門業者が違う用途で使用します。

食用、工業用油脂になったり、石鹸や肥料になったりします。

要は魚の鱗取りみたいな感じです。

ステップ4「脱毛・石灰漬け」

製革の準備段階で最も重要な工程です!

石灰溶液を原皮に漬けます。

皮は膨らんで繊維がほぐれてきます。脱毛、*表皮の破壊、不要なタンパク質の除去を行います。

この処理は効果的にするために、石灰漬けと脱毛をわけてやるのが主流です。

重要な工程のために手間は惜しみません。

*表皮とは、皮膚は表皮、真皮、皮下組織に分かれています。

普段、目にしてる革の表面は真皮になり、表皮は取り除かれます。

要は臭み取りみたいな感じです。

ステップ5「分割」

皮の厚みを均等にする工程です。

表面の層(後にグレインレザーになる皮)と下層部分(床革、ベロアになる革)の2枚に分かれます。

この下層部分を床革ベロアになって使用されたり、食用コラーゲンや医療用コラーゲンになったりします。

また肥料にもなったりしてます。

色々と再利用されてる訳なんです。皮革ってすごいでしょ!捨てるところがないんです!

要はアジの三枚おろしみたいこと

ステップ6「再石灰漬け」

ステップ4でした石灰漬けを再度行います。

この工程で皮のコラーゲン繊維をほぐしてあげます。そうすることで革のソフトなコシ感を生み出すことができるんです。

必要不可欠な工程です。まぁー全ての工程が必要なんですけどね。

ステップ7「脱灰・酵解」(だっかい・こうかい)

文字通り、ステップ4や6で行った石灰漬けにおける、皮中の残留物を取り除く工程です。

アルカリ性になってますので中和しておきます。

また酵解(ベーチングとも言います)とは皮の不要なタンパク質の除去を行います。表面を滑らかにします。

昔は鶏フンや犬フンの発酵液を使用してました。

現在はタンパク質分解酵素が使用されてます。

今回はクロム鞣しですが、タンニン鞣の場合でもここまでは一緒です。

ステップ8から枝分かれします。

ここで鞣の準備工程が終わります。

ステップ8「浸酸」(しんさん)

最後のメインの一歩手前です。

ステップ9でやる鞣し剤を浸透させやすくする意味でやります。

この際に中和から酸性に持って行きます。なぜかと言うとクロム鞣は酸性で鞣すからです。

アルカリ性、中和、酸性って小学生の時に実験したやつです。

皮を作るのって意外と理系、化学の世界なんですよ!

この状態の皮をピックル皮と言います。

なこの工程をピックリングとも呼ばれてますのでそこから来てると思われます。

タンニンなめしはこの工程をしないでピット槽に入ってりします。

お肉にタレを漬ける感じですね。

ステップ9「鞣し」(なめし)

この工程で皮から革になる瞬間です!

一般的にはクロムなめしタンニンなめしが主流になります。

現在ではクロムとタンニンを合わせてなめすパターンもありますし、白なめしやジルコニウムなど色々あります。

なめしの目的は腐敗し難くし、なめし剤で革の成分のタンパク質のコラーゲン繊維を安定化させ、革としての基本的な性質を与えます。

これでようやく皮から革になる訳です。

これから工場によっては再なめしを行ったり、用途に分けてタンニンを添加して革の繊維を絞めたり、逆に脂を加えてソフトにしたりとこの工程をレタンといいます。

このレタンのやり方が違うので、色々な工場の顔ができる訳です。

A社はソフトが得意とかB社は硬い革が得意とか

ただレタンが完璧にできても、元のベース、準備工程を雑にするとそれは最後まで出ます!

銀ウキしたり、引き裂きが弱かったり、銀面が弱かったり。。。問題がいっぱい出ます。

なめしの次にベース染色や次のステップに仕上げなどが来ます。

まだみなさんの目にお皿が置かれた感じです。

まとめ

皮から革になるまでに9ステップを踏んで基本ベースが出来上がります。

  1. 原皮
  2. 水漬け・背割り
  3. 裏打ち
  4. 脱毛・石灰漬け
  5. 分割
  6. 再石灰漬け
  7. 脱灰・酵解
  8. 浸酸
  9. なめし

各工程の順番は工場によって変わって来たりしますが、大きく変わることはないです。

現在は分業でやるところの方が多くなってます。

9ステップまでのなめし専門業者、再なめしから製革する工場など

その中でもさらに加工だけとか、色々の分業が多岐に渡ります。

みなさんの手に届いた革製品は何10社、何100人と携わって出来上がってます。

以上

おわり

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